性病と聞くと何を思い浮かべるでしょうか?クラミジアや梅毒などはパッと思い浮かべることのできる性病かもしれません。しかし、実際性病と言われている病気は多数あり、かつ性交渉以外でも発症する病気がほとんどです。性病の種類を知って、いざという時に備えましょう。

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日本で最も感染者の多いクラミジア

考える男の人

クラミジアは、日本で最も感染者が多い性感染症であり、特に性病に対する警戒心の薄い若い世代に感染者が多い特徴があります。
クラミジア・トラコマチスに感染する事で発症するとされています。
この病原菌の特殊な増殖サイクルに起因して自覚症状の無い感染者が多く、特に自覚症状が少ない女性の感染者が重症化する特徴もあります。

クラミジアは、増殖する際に感染細胞内に封入体と呼ばれる感染細胞と異なる染色体領域を形成する為、クラミジア・トラコマチスの増殖による影響が非常に出難い事で発熱や炎症と言った自覚症状が現れ難くなっています。
この病原菌は、感染細胞内で悪影響が非常に少ない封入体を形成するだけで無く、1個の病原菌が2個に増殖する1サイクルを約48時間~約72時間かけて行う特徴があります。
病原菌が急激にでは無く比較的に緩やかに増殖する事から自覚症状が少ないとされています。

クラミジアは、クラミジア・トラコマチスへの感染後1週間~3週間程度の潜伏期間を経て発症しますが、男性と女性では大きく症状が異なる性病です。
男性の感染患者は、病原菌が尿道内で繁殖するので灼熱感を伴う排尿痛や非粘着性の透明から乳白色の膿などの症状が見られる尿道炎を発症します。
男性の感染者の約半分程度に自覚症状がある事から女性に比べて重症化する事が少ない特徴があります。

しかし、適切な処置をする事無く放置すると病原菌が上行感染してしまい、前立腺炎や膀胱炎の発症に加えて精巣上体炎を併発する事もある性病です。
女性の感染者は、膣や子宮頸管部の粘膜で病原菌が繁殖するので膣炎や子宮頸管炎を発症し、おりものの異常や性交痛などの自覚症状が現れる感染者もいます。
体調不良や生理不順と勘違いしてしまう事が多く放置してしまいがちです。

女性の感染者は、放置すると病原菌が子宮を経て卵管や卵巣にまで上行感染してしまう事が多く卵管炎や卵巣炎を併発してしまう事も少なくありません。
卵管や卵巣は軽度の炎症ではなかなか自覚症状が現れない特徴があり、卵管炎や卵巣炎の発症に気付かず、骨盤内腹膜炎や肝周囲炎を発症してしまう事があります。

クラミジアの治療方法

クラミジアの治療には、抗生物質アジスロマイシンを主成分とするジスロマックや、抗生物質クラリスロマイシンを主成分とするクラリスなどのマクロライド系治療薬が効果的です。
ほかにも抗生物質レボフロキサシンを主成分としたクラビットやジェネリック医薬品のレボクインなどのニューキノロン系の治療薬による薬物療法が行われています。

ジスロマックは、主成分のアジスロマイシンがクラミジア・トラコマチスのタンパク質を生合成するリボゾームを構成する50sサブユニットと結合する事でタンパク質の合成を阻害する医薬効果を発揮します。
タンパク質が不足する事で増殖が抑制され症状が改善します。

クラリスは、ジスロマックと同様にマクロライド系の治療薬なので基本的な作用機序は同じです。
50sサブユニットと結合するジスロマックに対してクラリスロマイシンは30sサブユニットと選択的に結合する違いがあります。
マクロライド系の治療薬は、クラミジア・トラコマチスの持つ30sサブユニットと50sサブユニットと選択的に結合する事から、60sサブユニットと40sサブユニットで構成される人間のリボゾームには服用による悪影響が無いとされています。
副作用の発生頻度や重症化リスクが低く安全性の高い医薬品とされています。

クラビットやレボクインは、主成分のレボフロキサシンがII型トポイソメラーゼのDNAジャイレースとIV型トポイソメラーゼの2種類のDNAトポイソメラーゼの働きを阻害する医薬効果を発揮します。
静的な抗菌効果のマクロライド系抗生物質に対して病原菌クラミジア・トラコマチスを死滅させる殺菌的な抗菌効果を発揮する特徴があります。

クラビットやレボクインは、DNAを切断して増殖時の遺伝子情報の複製や傷ついたDNAを修復しやすくする酵素DNAジャイレースの働きを阻害します。
遺伝子情報の複製を抑制する事でクラミジア・トラコマチスの増殖を抑制すると共にDNAの修復も阻害する事でクラミジア・トラコマチス自体を死滅する医薬効果を発揮します。
クラビットは、絡まったDNAを切断し正常な状態に戻して再結合する酵素IV型トポイソメラーゼの働きを阻害します。
複製されたDNAを絡まった状態にする事で正常なDNAの分配が不可能になり、クラミジア・トラコマチスの増殖を抑制する医薬効果が発揮されます。

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